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呟きたい
第15章 雑談②
「シャドウから見たシエラってどんな感じですか?」
「真面目かよ」
「ええっ」
「良い質問じゃのう。歌舞伎町一の座を取られているが、八人集として協力もし合う。なったばかりのお前さんには不思議だろう」
「そうなんですよ」
「シエラ、ね。んあー、なんだ。オレから見たら随分治安がいい店だなってとこか。うちは血の気が多い連中ばかりで毎日抗争って感じだからな」
「そう?」
「類沢さんがいたら多分何人か死ぬな」
「ナニソレ」
「つっても吟じいに逆らったら即刻クビだから、そこまで酷い結果にはなんねーけど」
「拳でわかり合うのも時には必要だ」
「そういうけどよ……オレも吟じいには絶対喧嘩売りたくないね」
「勝ったことないんですか」
「おおっと。瑞希ちゃん、気をつけな。ここにいらっしゃる吟じいは篠田さんすらかつて負けたお相手だぜ」
「本当ですか!?」
「あれはいつだっけ? 僕が入ったばかりの頃、シャドウの奴等と衝突したことがあってね。後から現れた吟じいに惨敗したんだよね。それで駆けつけた篠田も降伏せざるを得なくて」
「えええ!?」
「そう話を大きくするな。ただその場を収めただけだ」
「まさか今協力し合う仲になるなんて予想もしなかったね」
「未だに類沢さんを殴りたいって復讐部隊も残ってっからなあ」
「いつでもおいでよ」
「部下を死なせたくはねーよ」
「今の腕だったら雅に勝てんかもしれんな」
「恐れ多い……」
「でも見てみてーな。類沢さんと吟じいの一騎打ち」
「ありえないから」
「武器なしだと互角じゃねーの」
「そうかもね」
「ええ!?」
「いちいち驚きすぎだよ、瑞希」