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呟きたい
第18章 台詞について①
「はい、どうもー」
「なんだか空牙と吟さんには悪いことしちゃったね」
「一瞬で出番終了でしたね」
「そういうわけで瑞希と僕です」
「なんで敬語!?」
「今日のメモはなんだかあれだね……これを語るときになっちゃったんだって感慨深いね」
「俺もタイトル見てちょっと切ないです」
「まあそろそろ時期がきたんだろうね」
「台詞ですか……片桐さんの世界観では重要ですよね」
「その中でも一番なのがこの死って言葉だね」
「どこまでも玩具では表紙から”死ねって何回云ったら死んでくれますか”ですもんね」
「そう。で、今は道化師のハルの言葉」
「死ねばいいのに、ですか……なかなかキツイ言葉たちですよね」
「普段誰もがイラってしたときに口を突いて出そうになる冷たい言葉。それを口の中で留めて出さない人が多いから言葉の守り人がいつまでも解放されない、と。言葉の守り人は朽ちぬ華のあの少年だね」
「本当に作品ごとに繋がってますよね」
「作者は一人だもの」
「あ、それなんか……なんかきました」
「いつからだったかな」
「なにがですか」
「こういう死って言葉を使うようになったの」
「……類沢さん。それ、言っちゃダメです」
「作者ニュースを見てればわかる話だけどさ。彼女に投げられた言葉に近いんだよね」
「片桐さんってなにより”死ね”って響きが嫌いですもんね」
「それをわざわざ作品の、しかも主人公に言わせてるんだ」
「……重いですね」
「まあね」
「後半この言葉の意味は見えてくるんでしょうか」
「それは僕もまだわからないよ。もう一人の僕ならわかったかもしれないけどね」
「先生の方ですか」
「そう」