この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
呟きたい
第19章 夏企画~単発~
「絶対怖いですよ。だってもう類沢さん顔笑ってますもん」
「早くはやく~」
「シエラが出来て、二年目のことだったかな……理恵って女性とアフターに行ったときのこと。首都高を走ってある店に向かってた」
「おお。本名出てきたよぉ」
「その人は煙草が嫌いでね。いつも通り、窓を開けてBGMもつけずにね。週末の夜だったから渋滞に捕まっちゃって。突然彼女が小さい声で話し始めたんだ。自分には双子の妹がいるって」
「また突然ですね」
「普段店では明るいんだけど、低い声で呟く感じでね。その妹が何度も男に騙されて、一度借金を背負ったことがあってね。よくある話だけど、結婚まで持ちかけていた男はそのまま蒸発。彼女が止めて未遂で済んだらしいけど、橋から飛び降りて死のうとしたことがあるって。それ以来、妹の行動をいつも気にかけて見ているって。四六時中、そばにいるって」
「ぞわぞわしてきたぁ……」
「最近妹が通っている男がいて、また騙されてるんじゃないかって監視をしていた。毎週必ずその男に会いに行っているって。月に百万近く貢いでるのを知って、相手の男のことも監視し始めた。相手は何人もの女と関わっていて、決して妹を愛することはないことを悟った。だから、実際に警告をしに来ることにした。そこまで云ってから、彼女は外を見ていた顔を僕に向けたんだ」
「えっ……」
「ねえ、いつから気づいてたの? 彼女はそう囁いて、大声で笑った。まるで叫ぶみたいに。丁度車が止まった瞬間でね。まっすぐに見た彼女の顔は髪に隠れて何も見えなかった。でもね、おかしいんだ。理恵は、彼女は髪をアップにしていたから顔が見えないはずがない」
「うわ」
「急に車内が冷たくなって、それまでつけていたエアコンが止まってね。無音だった。何も聞こえなくなった。笑い声もぴたりと止まった。僕は彼女を見続けてたんだけど、急に違和感を感じたんだ。前が向けないって」
「早くはやく~」
「シエラが出来て、二年目のことだったかな……理恵って女性とアフターに行ったときのこと。首都高を走ってある店に向かってた」
「おお。本名出てきたよぉ」
「その人は煙草が嫌いでね。いつも通り、窓を開けてBGMもつけずにね。週末の夜だったから渋滞に捕まっちゃって。突然彼女が小さい声で話し始めたんだ。自分には双子の妹がいるって」
「また突然ですね」
「普段店では明るいんだけど、低い声で呟く感じでね。その妹が何度も男に騙されて、一度借金を背負ったことがあってね。よくある話だけど、結婚まで持ちかけていた男はそのまま蒸発。彼女が止めて未遂で済んだらしいけど、橋から飛び降りて死のうとしたことがあるって。それ以来、妹の行動をいつも気にかけて見ているって。四六時中、そばにいるって」
「ぞわぞわしてきたぁ……」
「最近妹が通っている男がいて、また騙されてるんじゃないかって監視をしていた。毎週必ずその男に会いに行っているって。月に百万近く貢いでるのを知って、相手の男のことも監視し始めた。相手は何人もの女と関わっていて、決して妹を愛することはないことを悟った。だから、実際に警告をしに来ることにした。そこまで云ってから、彼女は外を見ていた顔を僕に向けたんだ」
「えっ……」
「ねえ、いつから気づいてたの? 彼女はそう囁いて、大声で笑った。まるで叫ぶみたいに。丁度車が止まった瞬間でね。まっすぐに見た彼女の顔は髪に隠れて何も見えなかった。でもね、おかしいんだ。理恵は、彼女は髪をアップにしていたから顔が見えないはずがない」
「うわ」
「急に車内が冷たくなって、それまでつけていたエアコンが止まってね。無音だった。何も聞こえなくなった。笑い声もぴたりと止まった。僕は彼女を見続けてたんだけど、急に違和感を感じたんだ。前が向けないって」