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第5章 真実は嘘

「松川先輩！」

「…」

「ちょっと先輩！！」

「うわっ」


肩を叩かれてあたしは気がついた。


「疲れてますか？」

「…あーかもしれないね…」

ふうとため息。


「先輩、最近ため息しかついてないですよね」

「…そうかなぁ」

「恋ですか？」


そう言われて戸惑った。


これは、恋じゃない。


だから…迷うことはない？


「…わかんない」

「先輩…らしくないですね」


そう言われてふと後ろを向いた。


「…松川先輩、最近北原さんの話しないですよね」

「…たしかにそうかもしれない」