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食べてしまいたい
第5章 真実は嘘


「新しい恋だったりするんですか?」

「…新しい恋…」

浮かんできたのは、はる姐だった。


キスされた時のあの切ない表情。
愛撫するときの堪能した表情。

七菜…と唯一呼んでくれる、あの人。


「違う」

「…そうなんですか」

きっと違う。

それはいいことだけを取っただけ。


「松川」

「はい」


呼んだのは大好きな北原さん。

切実に嬉しかった。


「この仕事頼んでもいいか」

そう、いつもこう頼んでくれて
あたしをいつも頼りにしてくれて…。


「ど、どうした!松川…?」


嬉しいはずなのに

心は泣いていた。

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