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食べてしまいたい
第5章 真実は嘘
こんこんっ
「入るで~」
真っ白な、カーテン。
静かさだけが取り柄の一人部屋。
外を眺めていたはる姐の横顔が綺麗だった。
「雅人…っ!?」
「おうっ!俺やで」
「そうじゃないわよ!」
痛い目線が一気に食らった。
まあ、わかっていた反応だ。
「七菜…あんた、なんでここにきてるのよ」
「…そんなの人の勝手でしょ」
はあ、とため息をつかれてしまう。
「雅人は?今日何のためにきたわけなの?」
「そりゃ、見舞いに決まっとるがな!久しぶりにあそこ行ったら休みますなんて…まあ、らしくないって思ってきてやったんやで」
また、はぁとため息。
はる姐はため息しか付けないのかよ!
「そんな、心配されるようなことじゃないわ。今日はありがとう」
「…なにそれ」
つい、言葉に出てしまった。