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食べてしまいたい
第5章 真実は嘘
病院と言われて少しも安心できなかったのだが、思ったよりも小さな病院だった。ほっと胸を下ろしながらも、彼の病室に向かった。
「めっちゃ心配してるんやろ?」
くすりと笑った雅人の目が細くなっていた。
思ったよりもイケメンな彼に心を奪われかける。
「…そんなことないですよ」
「えー?だって、顔が超真剣やで?」
「…っ」
「ふふっ…図星やな!」
彼の方言のせいなのか、嫌な気分にはならない。
標準語に慣れてしまった私には新鮮だった。
「おーっとあったあった!」
“小鳥遊春斗”
それがはる姐のフルネームだったようだ。
急にドキドキし始めた。
久しぶりだからなんだろうか。
たぶんそれだけではない。