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第6章 嫉妬

｢何ムスッとしてるわけ？｣

はる姐がそう言って我に返る。

｢何でもないよ｣

｢ふふ…っ…何でもないって顔してませんよ？｣

どきり。


不意打ちなのか、なんなのか。

胸が無駄に鼓動を打つ。

｢七菜さん、私は奪ったりなんかしませんし、はるさんもそんな浅はかな考えは持っていません｣

｢知り合って間もないはずなのに、よく言えますね｣

ぼそりと愚痴をこぼしてしまった。

｢ちょっと！あんたその口はないでしょ？｣

怒ったのは彼女じゃなく、はる姐だった。

もっとムスッと顔色が曇っていく。