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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第10章 盗賊髭切の正体
 今の小平太は薫子がよく知る彼だ。秋空のようにどこまでも澄み渡った瞳と春の陽溜まりのような笑顔が似合っている。他の手下たち同様、黒装束に身を固めている。顔を見られるのを避けるためか、顔の下半分を黒布で覆っていた。
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