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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第10章 盗賊髭切の正体
 薫子も口づけの興奮と余韻が覚めれば、恥ずかしいばかりの体勢だ。降ろしてと頼んでも、帝は言うことを訊いてくれず、結局、膝に抱かれたままだ。
「まったく、じゃじゃ馬め」
 帝が笑い、薫子の髪を撫でた。
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