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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第12章 誤解の始まり
 通嗣の弱々しい訴えに、帝は微笑んだ。
「何を気弱なことを仰せになりますか。お祖父さまにはまだまだ長生きをして頂いて、頼りなき朕(わたし)に教えて頂かねばなりませぬ」
 普段は政に口出しする祖父が鬱陶しいことこの上もないが、この場でそれを持ちだすほど不孝な人間ではない。
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