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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第12章 誤解の始まり
 その日は観桜の宴が華やかに催された。あの時、確かに自分は庭で遊んでいた。
―主上。
 呼ばれて振り返れば、廊下に通嗣が立っていた。その頃はまだ〝優しい大好きなじいじ〟だった通嗣に呼ばれ、彼は歓んで走って近寄った。
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