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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第12章 誤解の始まり
「それでは、そろそろ初孫を見せて貰えると期待しても良いのでしょうか?」
「それは」
 表向きには薫子と帝は既に男女の仲になっていると思われているが、実のところ、二人はまだ褥を共にしてはいない。帝は毎夜のように薫子のいる藤壺に渡っているため、皆がそのように信じても当然ではあるのだが―。
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