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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
 薫子に対する寵愛が薄れてゆくのとは対照的に、入内したばかりの弘徽殿女御こと栄子への寵愛は日毎に厚くなる一方だった。夜毎ではないが、三日に一度は必ず夜の御殿(おとど)(帝の寝所)に召される姿に、女房たちは羨望のまなざしを注いだ。
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