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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
 ある夜、薫子は凝花舎に梅を見に出かけた。如月もそろそろ終わりに近づき、日中は早い春を思わせるうららかな日も目立つようになった。凝花舎も後宮の殿舎の一つであり、本来であれば帝の后妃が住まう御殿である。現在の朱雀帝の後宮にはまだ二人の妃しかいないため、凝花舎は住む人もない。
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