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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
 薫子の瞳に澄んだ涙が溢れた。
「でも、駄目。私はどうしてもできそうにない。主上が他の女君に優しく微笑んでいるのも、先刻のように女君があの方と一夜を過ごすのも見るのは辛すぎて耐えられそうにないの」
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