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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
 朝早く起きて一日の大部分を写経に没頭して過ごす。寺での暮らしゆえ、余計に規則正しく単調になるのは否めず、滞在数日めからは日記のようなものを書き始めた。それは宮中で過ごした半年ほどの出来事を思い出しては随想風に書き継ぐ形で続き、半月ほどの間には結構な量になった。
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