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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
「ねえねえ、見て。綺麗でしょ。私が作ったのよ」
 得意げに小さな鼻をうごめかす千歳の後ろで万戸奈が笑っている。薫子は万戸奈に
―本当は半分以上は万戸奈ちゃんが作ったのよね。全部知ってるわよ。
 と、笑いかけて頷いて見せてから、千歳に言った。
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