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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
「わあ、綺麗、本当の花びらみたい」
 千歳が歓声を上げ、次いで万戸奈が
「ありがとうございます」
 と、七歳とは思えないほど落ち着いた様子で礼を述べた。幼い妹を守るため、自分が大人にならなければと一途に思いつめているからだろう。
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