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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
 その者たちのためにも不必要に沈んだ顔は見せられないと自らを鼓舞するものの、どうしても薫子は居室に閉じこもりがちになってしまう。
 それでも、日々は流れゆく。薫子が石山寺に来てから丁度ひと月が巡った。早咲きの桜はとうに散り、今度は都でもよく見かける桜が咲き始めた。
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