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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第13章 失望と寵愛のゆくえ
 熱い吐息混じりの囁きが耳朶を掠め、薫子の華奢な身体がピクリと震えた。
「ここはお寺なのよ? このような場所では駄目」
 言おうとした矢先、〝シッ〟と人差し指が唇に押し当てられた。触れられた箇所にまた微熱が宿る。
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