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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第14章 満月の初夜
 満月の初夜

 帝は薫子を居室まで連れ帰り、そっと褥に降ろした。しばらく黙って見つめ合った後、彼は宝物の入った包みを開けるように大切そうな手つきで薫子の袿(うちぎ)を肩から脱がせる。
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