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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第14章 満月の初夜
「―」
 薫子は羞恥のあまり、両手で胸を覆い身を縮めた。怯えを宿した瞳が揺れ、泣きそうに潤んでいるのを見た帝は優しく微笑んだ。
「怖がることはない。俺に任せてくれれば良いから。そなたには可哀想だが、今宵はもう止めるつもりはない」
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