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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第14章 満月の初夜
 突然、引き寄せられ、軽く額に口づけられた。
「済まなかったな、痛い想いをさせた」
 唇で眼尻(まなじり)に溜まった涙を彼が吸い取る。
 薫子は潤みを湛えたまなざしで彼を見上げた。
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