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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第3章 噂の姫君
「ここはあなたの実家ですから、いつでも帰っておいでなさい。それに、あなたも十六なのです。大姫も来春には畏れ多くも帝の御許に嫁ぐと決まっているのですから、あなたもそろそろ嫁入り先を探さねばね」
「義母上、私は嫁ぐ気は」
 嫁に行く気はないと言おうとして、ハッとした。継母の細い眼が冷ややかに見つめていた。
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