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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第15章 攫われた姫君
 娘が戸を閉める前に一瞬だけかいま見た外はどう見ても真っ暗だった。だとすれば、既に時刻は宵―。そろそろ、倒れている女房たちの誰かが目覚めて誰かに知らせ、都の帝にも報告がいっていても良い頃合いかもしれない。
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