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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第20章 紅蓮(空蝉)
 だが、今の栄子には蓮葉の微妙な変化に気を払うだけのゆとりはなかった。
 そんなある日のこと、栄子は御簾を巻き上げて、ぼんやりと庭を眺めていた。居間からは桜の樹が遠く見える。秋の盛りの今、桜の葉は紅く色づき、ちらほらと落葉しているものもある。
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