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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第20章 紅蓮(空蝉)
 蓮葉がついと前へと膝をいざり進め、両手をつかえて頭を下げた。次の瞬間、顔を上げた蓮葉の顔を見た栄子は息を呑んだ。これまで眼にしたこともないような思いつめた瞳が栄子に向けられていたのだ。
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