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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第20章 紅蓮(空蝉)
 栄子は頷き、更に口を開いた。
「友平さまの従者と蓮葉が深い仲になっているのはご存じですね?」
 訊ねる形だが念押しに過ぎないことは判っていた。友平が開いていた扇を音を立てて閉じた。パチンという小気味の良い音が辺りを満たす静寂に大きく響いた。
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