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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
「ところで、丁度良いところにお越し下さいました。私からもお願いがございます。姉上の葬儀も無事済みましたゆえ、私はひとまず市井に戻りたいのです。家のことも気になりますし、商いの方も折角順調にいっておりますので」
 と、父が淋しげに呟いた。
「最早、市井のわび住まいがそなたにとっては家と呼ぶものなのか、薫子」
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