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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第20章 紅蓮(空蝉)
 それでも、大好きな男に甘えたように頼まれれば拒むことはできなかった。
「ほんの少しだけ」
 同じ科白を繰り返している中に、友平は本当に眠ってしまったらしい。規則正しい寝息が聞こえ始めたのを見て、栄子は微笑んだ。
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