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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第20章 紅蓮(空蝉)
 長いようにも短いようにも思える時間を終えて門外に出た時、既に屋敷前の道は漆黒の闇に沈み込んでいた。
 友平は敢えて送らないと言い、栄子もそれを理解した。秘密を守り通したいのなら、友平はできるだけ人眼に立たない方が良い。
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