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第4章 入内の勅命

「私は大姫に多大な期待をかけていた。大姫を帝の許に送り込んで、橘氏と皇室を結ぶための美しき楔とする。大姫が帝の皇子を生み奉れば、私は次代の帝の外祖父となるはずだったのだ！　最早、藤原宗家の専横は許されず、我が一族が昔日の栄華を取り戻すその日も近かったというに、大姫が亡くなった。さりながら、私は諦めぬ。我が家には幸い、薫子がいる。そなたが皇室に嫁げば、私の計画は滞りなく遂行できるではないか」