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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第21章 転機
「―っ」
 栄子は思わず悲鳴を上げそうになり、両手で口許を覆った。何故、どうしてという想いがぐるぐると嵐に舞う木の葉のように駆け巡る。その一方で、これまでの長い間、よくぞこの父にバレずに過ぎたものだと妙な感心をする自分がいた。
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