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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第22章 桜花(はな)の夢
「―綺麗だわ」
 回廊に佇み庭に視線を投げれば、その先には満開の梅の樹たちが一様に臨めた。紫紺の空に危うげに掛かった三日月は女人の眉のように繊細で、その清かな光が咲き匂う梅たちをほのかに照らしている。
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