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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第22章 桜花(はな)の夢
「朕の、いちばん、大切なもの」
 帝は言葉を憶え立ての幼児のようにたどたどしく繰り返す。栄子はしっかりと頷いて見せた。
「私の前で無理をなさる必要はないのですから。それよりも、大切な方を誤解させたままで―本当にこのままで良いのですか?」
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