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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第22章 桜花(はな)の夢
 まさか弟があなたを陵辱しようとしたでしょうとは言えず、栄子は曖昧に言葉を濁した。
 気遣わしげに言うのに、薫子は気丈にも微笑んで応えた。
「大丈夫です。私はこのとおり無事ですから」
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