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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第22章 桜花(はな)の夢
 栄子は廊下に佇み、ひっそりと薫子を見送った。薫子が数歩あるいて振り返った。
 物言いたげに見つめている栄子が気になったらしく、薫子が栄子を気遣わしげに見つめ返している。そんな薫子を三郎が急かした。
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