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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第27章 番外編第五話【紅葉抄挽歌】
 ただ、こうして東宮と麗子を並べて見ると、先ほど麗子が薫子に似ていると感じていたのは、所詮は我が感傷に浸りすぎていたのだと思うしかない。つまり、東宮が亡妻に似ているのに比べれば、麗子の〝似ている〟というのは、帝自身の気の迷いか錯覚にすぎないと笑い飛ばすことができる程度のものだ。
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