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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第5章 真実と恋心
「私が今も帝をお慕いしているかどうか、それが大切だとおっしゃるのですね?」
「そうです。言い換えれば、承平なる者をまだ愛しているかどうかと申しても良い。愛が冷めたかどうか、それがこれからのあなたの生き方を決めるのではないかと思いますよ」
 継母はこれまで見たことのない温かな笑顔で言い、帰る間際には薫子をそっと抱きしめてくれさえしたのだった。
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