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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第5章 真実と恋心
「朕もいつまでも中途半端なままでいるのは辛い。今、ここで応えをくれぬか? いつか私の作った想妻恋をそなたと共に奏でてみたい。そなたは聞けば、箏の琴の名手だというではないか。朕の笛と是非、手合わせしてくれまいか」
 その返事が事実上、後宮に―帝の許にとどまるかどうかの応えになるのは判っていた。
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