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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第5章 真実と恋心
 二人はその幻想的な美しさに刻を忘れて見入った。永遠とも思える沈黙の後、帝がポツリと言った。
「側にいてくれ」
「―はい」
 引き寄せられ、軽く唇に唇を触れ合わせる。それは本当に一瞬だけの蝶の羽根が掠めるほどのふれあいだった。
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