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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第7章 胸騒ぎの予感
  胸騒ぎの予感

 きっかけは帝の住まいである清涼殿に射かけられた一本の矢文であった。何と畏れ多くも一天万乗の君がお住まいになる御殿の壁に不届き者が矢を射かけたのである。それだけならまだしも、矢には一通の書状が結びつけられていた。その内容を読んだ蔵人頭は一瞬にして蒼白になった。
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