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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第7章 胸騒ぎの予感
 このことに、通嗣はいたく落胆もし立腹もしていた。これまで若い帝が外祖父である自分に逆らったことなど、一度もなかったのだ。意見の対立はしばしばあったものの、結局は帝は〝お祖父(じい)さま〟たる彼の言うことに大人しく従った。従わぬときは皇太后を動かせば良かった。
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