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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第7章 胸騒ぎの予感
 お宝を根こそぎ奪われた後、皆が気付くといった手並みは鮮やかとしか言い様がない。ゆえに、髭切を初めとする一味の顔を見た者は誰一人としておらず、去る間際に屋敷の主人の髭を切り落としてゆくことから、〝髭切〟と呼ばれていた。
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