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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第8章 天下の大義賊
 深夜に寝所を訪ねたのは、こういう形を取れば帝が寵愛する妃の許へ渡ったと痛くもない腹を探られずに済むから。色事のせいにしておけば、深くあれこれと詮索される必要はない。帝なりに考えての行動だったに違いない。そんな自分を薫子は心から反省し恥ずかしく思った。
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