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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
 小平太の口調はいかにも、
―お前の嘘なんぞ端からお見通しだぞ。
 と、告げていた。
 小平太は智次の前まで来ると、打って変わって凄みのある声を出した。
「金を払え」
「なっ、何で俺が金を払わなきゃならねえんだ」
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