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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
クスクスと笑いながら中に招じ入れると、手早く残っていた分を器に盛りつけ台に並べた。粟と稗が混じった白米を炊いたもの、汁と青菜の和え物、それに客人が来たので、急いで魚の干物も焼いた。
「どうぞ」
「すげェ。でも、本当に構わないのか?」
問われ、薫子は頷いた。
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