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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
「綺麗で小さな実がたくさんなってるわ。食べられる?」
「いや、これは山葡萄じゃないから、食べられねえ。食べられるのは山葡萄で、野ブドウじゃないんだ」
「そうなの。でも、綺麗ね」
 ピンク、紫のグラデーション、瑠璃色に鮮やかな蒼、まるで小さな宝石のようだ。飽きもせず眺めていると、小平太が唸った。
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