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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第10章 盗賊髭切の正体
 帝は薫子を町の家まで送ってくると、そのまま内裏へと帰った。一度、薫子自身も実家に戻ることになっていた。
 そして、翌朝、ひそかに父の屋敷を抜け出したその前夜、薫子は継母と対面していた。
―義母(はは)上、ご無理をお願いすることは承知で、お願い申し上げます。
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